ヨルノサンポ団の日記

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”風邪に風邪薬は必要か5”(医療のつぶやき25 るーにー)

さて、長々と書いてきた風邪に対する連載も一旦今日で終了である。今日は風邪以外の鼻水や鼻づまり、咳への薬剤について述べていこうと思う。

 

まず、鼻水を止める薬としては抗ヒスタミン薬というものが出される。いわゆる花粉症の時に出されるあいつらだ。よく、鼻水の薬は眠くなるから、、、とか、眠くならない薬ください、というフレーズが行き交う。これは、抗ヒスタミン薬にも世代がある。眠気の副作用が強いのが第一世代なのである。第二世代は眠気の副作用が弱いことが知られている。

ところが、鼻水に対して多少有効というデータがあるのは、第一世代だけである。そして、初期の2日間の症状軽減には有効だが3日目以降は効かないというデータが出ている(Cochrane Databese Syst Rev.2015;:CD009345)。また、鼻づまりが厳しい場合は、これらの薬は鼻の粘膜を乾燥させて鼻づまりを悪化するとの報告もある。

むむむむ、、、ひたすら鼻水はかむしかないのか、、、

また、鼻づまりには点鼻薬がある、こちらは、鼻づまりの改善効果は一時的に認められる。ただし、副鼻腔という奥の方へは到達せず、こちらには効かないと言われている。なお、リバウンド反応により炎症や症状の悪化の可能性があるため、副鼻腔炎の治療には使わない方が良いと言われている。(日鼻誌2010;49:49-104)

 

最後に咳である。先に結論を言おう。「風邪による咳に効く薬はほぼない。」Chest.2017;152:1021-1037に、咳どめへの解説がある。まず、市販の咳止めには改善効果はないため、成人・小児共に推奨されない。NSAIDsについても成人の咳を治める効果は示されていない(小児はデータなく不明)。はちみつは小児の感冒による咳を軽減させるかもしれない

が、乳児にはちみつを与えるとボツリヌス中毒という病気になり致死的になるため注意が必要である。最後に、コデインという製剤は鎮咳作用はあるが、小児には呼吸抑制の重篤な懸念があり、使用は推奨されていない。

つまり、はちみつ最強!ってことだ笑

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5回にわたって簡単ではあるが、風邪について述べてきた。結局風邪だったら寝ておくしかないのだ。となると、重要なことは「手洗い」である(うがいは価値ないと言われている)。ただし、決して薬を使うなと言っているわけでないし、病院に行くなと言っているわけではない。

風邪だと思ったら、全く感染症じゃなくて致死的な病気である可能性は十分にある。下手な自己判断をするくらいなら病院に来ていただければ良いと思う。また、医師は常になぜその薬を使うのかを考え続ける必要があると思う。自戒も込めつつ。そして、同時に考えている医師の気持ちも少しは汲んでいただけたらと思う。