"新型コロナの初期症状は嗅覚・味覚障害だけではない？"(医学のつぶやき25.5 るーにー)

さて、新型コロナはその猛威に衰えを見せることがない。阪神の藤浪投手が嗅覚・味覚障害を訴え、PCR検査で陽性になったことはもうだいぶ前のことな気もしてくるが、皆が覚えていることであろう。だが、それ以外の初期症状がある可能性を指摘する論文が中国から発表されたので報告しよう。

この論文(Wu P,et al.JAMA Ophthalmol 2020 Mar 31)は中国湖北省の病院でのコロナ患者38人のうち、眼症状がどれくらいあったかを調べたものであった。結果としては、12人に結膜充血や結膜浮腫といった症状があった。また、そのうち2人は鼻汁や涙液からウイルスが検出された。また、重症患者ほど結膜炎の数が増えるとも言われている。

この論文は勿論眼が赤いというのは一つ体の不調を見直すきっかけになるかもしれないことを教えてくれている。そして、それ以上に重要なことを教えてくれている。目からの感染のリスクがあるということだ。筆者はコロナウイルスが蔓延してからコンタクトレンズはつけないようにしている。コロナウイルスの感染経路は飛沫もあるが、手を介して顔を触ることによる感染も多数あると思われる。また、この論文を受けてアメリカ眼科協会は不要不急な眼科受診を控えるよう指示している。今わざわざメガネ直さなくて良くない？と。