ヨルノサンポ団の日記

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"電子タバコ関連肺障害ってのがあるんやで"(医学のつぶやき13 るーにー)

さて、以前のブログでも述べたが、喫煙というのは医学の観点からでは体には良くない。最近話題のコロナの重症化リスクの1つにしっかりと挙げられているくらいだ。ただ、タバコ側も進化を遂げており、加熱式タバコ、電子タバコという風に形態を変えている。「タバコ吸っていますか?」と聞いたところ「いいえ」と答えられたので、いつも通り、「人生で一本も?」と返したら、「最近は加熱式にして禁煙したんです」と言われ、閉口したことがある。じいさん、電子式はまだしも加熱式は禁煙って言わないよ。

加熱式と電子式の簡単な違いは、ニコチンが含有されているかどうかである。加熱式には含有されていて、電子式には含有されていない。とはいえ、ここら辺はかなりごちゃごちゃにされているようだ。

確かに、副流煙などの要素は減っているので悪い側面ばかりではないと思う。ただ、喫煙の最大の被害者は喫煙者自身であるのだ。喫煙者自身の健康被害が軽減されるということはなく、なんなら増加するとWHOは警鐘を鳴らしている。

しかも、こういう新しいものには新しい病気が必ずつきものである。それが、EVALI(electronic-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury)と言われる、電子タバコ関連肺障害である。アメリカ疾病センター(CDC)に2019年8月に報告され、4ヶ月でアメリカで2000件ほど報告され、死者も数十例出ている。主な症状は咳などだが、突然重篤化し、人工呼吸器コースになることがある。

まあ、肺の病気ってのはコロナでご存知の通り突然悪化しても不思議はない。

当初、アメリカの電子タバコではTHCという大麻の主成分がEVALIの原因ではないかと考えられていた。しかし、"Vitamin E Acetate in Bronchoalveolar-Lavage Fluid Associated with EVALI."(he New England journal of medicine. 2020 02 20;382(8);697-705)という論文で、酢酸ビタミンEという物質が原因であることが示された。

 

これが、必ずしも日本で適応できるとまで言い切ることもない。ただ、こういうような新しい病気は確実に存在している。