"スポーツの種類でも余命は変わるんやで"(医学のつぶやき36 るーにー)
さて、今日はスポーツの種類について興味深い論文があったから紹介したいと思う。
1.はじめに
スポーツをした方が、しないより確実に体に良いことは感覚的にもわかると思う。では、どういうスポーツが体により良いのだろうか。
まず、あまり接触の少ないスポーツかな、と筆者は予想した。接触による体の微細な損傷は馬鹿にならないかなと思う。となると、ラグビーやサッカーはここで消えた。
次に、有酸素運動を想定した。瞬発的なものより、持続的な脂肪燃焼をした方が体に良さそうな気がする。
その上で継続性がある程度ありそうなものとなると、一人で行えるものであろうか。
上記を考えると、ジョギングや水泳あたりの寿命が一番良いのかなと考えていた。
ちなみに、筆者は高校時代はソフトボールをやっていた。野球とソフトボールの違いは例えば、ピッチャーの投げ方が違うということに注目されがちだが、それ以上に大きさが違う。端的にいってソフトボールは狭い。
球は広すぎて体の小さい筆者にはしんどかったのだろうか。
2.論文
この論文はMayo Clinic Proceedings. 2018 12;93(12);1775-1785に掲載されていたものである。これはコペンハーゲンにて8577人を25年間どのようなスポーツをしていたかで分類し、何もしない人と比べて、どれくらい余命が伸びるかを統計的に解析したものである。(様々な因子は統計学的に処理されている)
結果は、以下の通りである。
テニス:9.7年
バドミントン:6.2年
サッカー:4.7年
サイクリング:3.7年
水泳:3.4年
ジョギング:3.2年
体操:3.1年
自主トレ:1.5年
何もしない人と比べてテニスで10年近く寿命が伸びるという結果になった。
3.考察
まず、10年という年月にとても驚かされる。それほど違うのだろうか。
次に、自主トレではあまり効果がないようだ。今は家で一人でトレーニングくらいしか運動できないので、間違いなく世界の余命は下がっていっているだろう。
次に、一人でできるものが下位を占めている。これには論文内でも、社会的関係性が必要なスポーツの方が余命が伸びやすいと触れている。社会的関係性がなぜ余命を伸ばすかは甚だ疑問ではあるが、これについては今後の研究を期待したい。
4.最後に
一人で運動した方がいいやろ、と考えていた筆者の考えは無残にも砕け散ったのであった。とはいえ、予想してそれが違っていても、新しいことを知ることは楽しいことだなと思うのであった。