ヨルノサンポ団の日記

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"死にたくなければ豆腐を食え!!"(医学のつぶやき33 るーにー)

さて、豆腐や豆乳などの大豆製品に含まれるイソフラボンは健康に良いとよく通販やyoutubeの広告などで出てくる印象がある。筆者も下記の商品をよく飲む。では、本当に健康に良いのだろうか?

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0.はじめに

今日は待ち時間にyoutubeをみていたら、巨乳になりたい女性が豆乳を飲んでも効果がなく、サプリメントを飲むことで見事な体を手にいれるという広告が流れていた。

 

栄養不足のない人にサプリメントは寿命を伸ばさず、特定の要素のサプリメントではいくつかの疾患のリスクを高めるという報告があるので、筆者は飲まない方が良いと思う。と、同時に上のような疑問が湧いてきたわけである。「大豆製品って胸を大きくしないかもしれないが、健康にはどうなのか?」と。

 

1.現在の一般的見解

確かに、イソフラボンが健康に良いとデータが出た際に、アメリカのFDAは1999年に心疾患を減らすとして推奨したこともあった。しかし、その後、相反するデータ含めて多種多様なデータが出たことから、推奨について再考されている状況だ。また、アメリカ心臓協会(AHA)では、大豆製品による心疾患の影響は食物繊維、ビタミン、不飽和脂肪酸などによる可能性があり、イソフラボンによるものであるかは、可能性がある程度に留めている。

 

2.紹介論文

これは、Circulationという雑誌に2020年3月20日に掲載された最近の論文である。詳細について知りたい方は読んでいただくことを前提にしてかいつまんでこの論文の内容を記載する。

 

イソフラボンの摂取量が増えると心筋梗塞のリスクが減少した。なお、年齢、性別、BMI、喫煙、高血圧など多様な因子を補正しても同様の結果であった。

・閉経前女性やホルモン治療を受けていない閉経後女性に特に有効であった。

・豆腐の摂取についても同様であった。

・豆乳の摂取では同様の結果を得ることができなかった。

 

3.考察

このような原因となった理由を考えてみよう。まず、イソフラボンには血中の脂質状態やインスリン抵抗性(ざっくりいうと糖尿病)、炎症状態を改善する報告がある。こういった要素によって、もしかすると血管病変のリスクを減らしている可能性はある。

また、イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンと骨格が似ていることは昔からわかっており、これによりイソフラボンが弱いエストロゲン作用を持っている可能性が指摘されている。(これが、巨乳の広告を招く原因だろう。因果関係は不明。)

そもそも、女性ホルモンがあると血管リスクが減ることは実は有名事実であり、閉経後に女性の血管リスクは男性程度まで上昇するのだ。すなわち、イソフラボンによるエストロゲン作用で血管リスクが減っている可能性がある。ただし、女性ホルモンの治療を受けている場合は、イソフラボンによる効果は隠れてしまっている可能性がある。

 

なお、豆乳で効果が出なかった原因は、乳成分や砂糖といった血管リスク要素によりイソフラボンの効果が打ち消されてしまったのかもしれない。

 

4.終わりに

イソフラボンを摂取している人は野菜摂取していたり、運動していたりという傾向もあったようだ。もちろん上記のデータではこれらの要素も補正されているが、結局イソフラボンを飲もうとする人は、それ以外でも健康に気をつかっているのだろう。

どんなに医学が進歩しようとも予防というものが最強の治療法であることをもう少し多くの人々に知ってもらえたらなと思う。

 

広告を見終えた後は、ファンだと公言している柏木由紀がひたすら牛丼を食べる動画を見ていた。この人のスタイルは豆乳によるものなのか、他の要因があるのか、(努力の賜物だとは思うが、)気になってしまうのであった。

 

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