"喧騒によって人の健康は損なわれるのだろうか"(医学のつぶやき15 るーにー)
さて、スペインでベーシックインカムが導入された。日本でも現金給付の声が高まっていることも相まってか、ベーシックインカム導入に賛成する声がよく聞かれる。ベーシックインカムを導入すると、救急車が有料化する可能性があるなあとぼんやり思った。政治的な話になりそうなので、これ以上の言及は避けるが、いずれにせよ、世界は今大きな濁流の中にある。。
救急車を有料化するかどうかはよくディベートで使われるネタだ。どちらがいいかについて言及する気はないが、資本主義国家の多くは有料であることと、1回5万くらいのお金がかかっていることは理解しておいてほしい。
ところで、外出自粛のために外が静かだなと感じる人も多いのではないだろうか。大通りに独特な喧騒を好む人というのは稀であろう。私もその口であり、時たま静かな裏路地を歩きたくなるものであるし、早朝の寺など訪れると心落ち着くものであった。また、行きたいものである。
実際、こういった喧騒と健康に関連はあるのであろうか。Journal of the American Heart Associationにて騒音と健康被害に関する論文が発表されていた。カナダのトロントにて一般市民100万人以上を対象としており、交通騒音が平均10dB以上上がるごとに、新規発症の糖尿病が8%、高血圧が2%増加していた。大気汚染や所得によってもこういったリスクが上昇することは以前から知られていることなのだが、それらを補正してもしっかりと上昇したのである。影響を受けやすい人としては、どちらかといえば、若者・女性であったようだ。
外は静かであるが、ネットやマスコミの情報は大きな濁流となっている。飲み込まれないようにするために、時々立ち止まり周囲を見渡す余裕は持ちたいものだ。サンポしている時のように。