ヨルノサンポ団の日記

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"ついに貯金が尽きた"(医学のつぶやき31 るーにー)

遂に貯金が尽きてしまった。18時の予約投稿をしていたので、ここ1週間忙しくてもなんとか投稿できているように見えていたかもしれないが、書く暇すらなくこの有様だ。連載記事は書きたいことは決まっているので、必ず書きたい。

 

さて、つなぎのような記事になってしまって大変申し訳ないが、簡単なものをあげたいと思う。テーマは、人が自死を選ぶ精神的構造というものだ。"The interpersonal theory of suicide"という理論がある。この理論は2005年にJoinerが提唱したものであり、人がなぜ自死を選ぶようになるのかをモデル化したものだ。ポイントは3つである。

 

1."perceived burdensomeness"

  これは、自らが他人や社会にとっての「負担であると自覚する」ということである。すなわち、自己嫌悪において、自分がいなくなることが、他人や社会の為になると考えてしまうことである。例えば、失業や病気、投獄などといった経験において、「自分が邪魔者である」という「誤った」認識を持ってしまうことをさす。

 

2."thwarted belongingness"

 これは、「帰属意識の減少」 といったところであろうか。人はなんらかの関係性が必要な生き物である。特に他人に受け入れられるという感覚が必要不可欠である。具体的には友達が多いこと、結婚していること、子供がいることといった繋がりというのは自死のリスクを低下させると言われている。

 

3."acquired capability"

 上記2つが揃うと人は、自死への道を歩み始める。しかし、最後に1つ壁がある。人は自分の体が傷つくことを本能的に恐れる。この恐れるということを「克服する能力の獲得」が必要になるのだ。例えば、男性の方が女性よりも普段から痛みに慣れている為に、この能力は高いとされている。また、自死を試みることを繰り返していると、耐性がつき、すなわち能力を獲得することで、本能的な恐れがなくなってしまう。

 

4.まとめ

 すなわち、「自己嫌悪」と「人との関わり合いの現象」が揃い、繰り返すことで「自死へのハードルの減少」を手に入れてしまうというのが大まかなメカニズムであると考えられている。

 

5.悲しい報告

 2020年3月25日バングラディッシュからとても悲しい報告があった(Asian J Psychiatr,2020 Jun:51:102073)。これは、首都ダッカから自分の村へ戻った36歳の男性が村に帰ってから、発熱と感冒をきたし、そのことで村人たちから「あいつは新型コロナにかかっているのでは」と、言われ、そのことから自死を選んだというものである。そして、解剖された結果男性は新型コロナではなかったというものである。

 そして、こういった報告はバングラディッシュだけにとどまらず、インドなどでもある。きっと欧米、日本でもあるかもしれない。

 

6.最後に

 今、自粛生活なので、容易に「人との繋がり」は少ない状況なのである。すなわち、自分が軽はずみな発言で誰かの「自己嫌悪」というボタンを押してしまうことがとても危険であるということだ。体の健康はいうまでもないが、心も健康でなくてはならないのだから。