"ダイエットの食事法として適切なものは?"(医学のつぶやき 35 るーにー)
1.はじめに
さて、巷には色々なダイエット法が溢れている。多くの人が、1度はチャレンジしたことがあるのではないだろうか。ダイエットというのは「食事」と「運動」で構成されていると思うが、「食事」の観点からはどのような食事が最も良いのだろうか。例えば、糖質offダイエットなどあるがどれくらい効果はあるのだろうか。まあ、巷にあんだけダイエット本が溢れているということは、多くの人が失敗して、いいカモになっているのだろう。
でも、このブログでは、医学的な!最新の!論文で!最も適切な食事制限をお伝えする。
2.論文
今回紹介する論文は、BMJ 2020 04 01;369;m696に掲載された、"成人の体重および心血管リスク因子を減らすための14の人気の食事プログラム比較"である。ちなみに、BMJとは医学の有名論文掲載雑誌のtop4の1つである。内容は色々と書かれているが、要約すると以下の3点である。
・6ヶ月間に渡って糖質や脂肪を制限した人は体重が5kg減少し、血圧も低下した
・通常のダイエットと比較して体重減少や血圧低下が見られたのは、アトキンスダイエットやダッシュダイエットであった。
・1年後にはどのダイエット法でも体重は増加し、心血管リスクへの利点は消え去る
3.考察
まず、当然であるが、糖質や脂質を制限すると体重が減るし、血圧は下がる。高血圧と言われている人はまず体重を減らすことから考えるというのが第一歩なわけである。
この論文の数値を見ると、半年で5kgくらいが頑張ってのいいところなのだろう。1ヶ月で10kg痩せようとか無理だから、水着をこの夏着る予定ならばもう始めないと間に合わないだろう。(なお、コロナ、、、)
また、名のあるダイエット法の中ではアトキンスダイエットとダッシュダイエットというものが体重減少と血圧低下の割合が多かった。また、これらのダイエット法については紹介するが、アトキンスダイエットについては長期的なメリットは証明されていないことには注意してほしい。なお、ダッシュダイエットはアメリカ心臓学会も推奨しているダイエット法である。
なお、オチが強烈である。結局どんなダイエットしたってほとんどの人がリバウンドするということだ。結局普段の生活はなかなか変えられないのだろう。
4.おわりに
色々なダイエットに挑戦するのはいいと思うが、結局継続することが重要で、そしてそれが一番難しいということがよく分かるのであった。